近場で飲めるという訴求力
お久しぶりの更新になります。こちらのブログはゆったりまったり不定期更新で続けていけたらと思います。
今回の舞台は神奈川県・横浜と鎌倉。観光がてら一泊二日くらいの日程で遊びにいきたいものです。
第34話 横浜から鎌倉へ、名酒肴をたずねて
麺房亭
一見するとラーメン屋の屋号にみえる『麺房亭』。
お店のホームページを探してみたが見つからず、食べログを覗いてみても掲載保留になっている。移転または閉店してしまったのかもしれない。
蓋を開けてみれば、バル風の店内で和洋折衷の料理を出し、これに合う日本酒やワインを提供する。太田さんが言う「メトロポリタン」という表現が的確である。
白ワインと自家製プロシュート
まず手始めに白ワイン。そして、太田さんがこの店に来たら必ず注文するというプロシュート。
うん、ワインに合わないはずがない。
元来僕は豚肉や牛肉の脂身部分が苦手であり、できれば脂の少ない箇所を好んで食べるくらいである。
しかしながら、良質な脂はたくさん食べても胃もたれしないし、脂の甘みが食欲を増進させることに最近気づきだした。
自家製チーズ プリモサーレ 味噌漬け
続いて供されるは、自家製チーズの味噌漬けである。プロシュートもチーズも自家製であり、食材に対する並々ならぬ拘りを感じる。
それにしても、多過ぎィ!いったい何人で食べるというのだ。
太田さんが麺房亭を「スーパー居酒屋」と呼ぶのも頷ける。食材はどこまでも追求できるし、どこまでも妥協できる。
自身の足で産地をめぐって知識や経験を蓄えて、自分だけの味を作り出す。
丈径純米吟醸無濾過生原酒
これに合わせるは、王禄酒造の『丈径』。チーズに対抗するには生原酒のフレッシュでガツンと来る強さが相応しいだろう。
自家製 サツマ揚げ
サツマ揚げには焼酎だろ、などと野暮なことは言わない。美味しいつまみに美味しい酒があればそれが正解なのだ。
本当に和から洋まで何でも取り揃えているし、出てくるものがすべて自家製である。どれも手間がかかるだろうに。
「提供する側が納得しないものは誰も納得しない」という考えがあるのだろう。
瑠璃色の海
3杯目を注文するのは珍しい気がする。『瑠璃色の海』、なんて綺麗な名前だ。飲んだことは無いけれど、見つけたら是非飲んでみたいな。
企久太
ご主人の名前をとったという『企久太』。海鮮メインの居酒屋だ。
お店のホームページはないようなので、こちら→企久太 | グルメ | 鎌倉タイムを参照いただきたい。
この手書きのメニューがいい味を出している。どれを選んでも間違いないだろうが、僕なら「尼鯛焼霜」か「皮はぎ肝正油」かな。
喜久酔純米吟醸
喜久酔は飲んだことがある。トゲトゲしくはないけれど、キレがあり最後まで飲み疲れない。どこか優しい円やかさを感じる上品な酒である。
久しぶりに飲みたいな。
長いも醤油漬け(お通し)
太田さんが喜久酔を堪能しているときにご主人が後ろで削っていたのは鰹節だったのか。
シンプルながらひと手間を加えたお通しである。
皮はぎ肝醤油
さすが太田さんだ。かわはぎを選んでくれると思ったよ。
厚めに切りそろえられた身。こりこりサクサクした食感が心地いいのがかわはぎの特徴だ。
皮はぎは名前の通り、皮が非常に強靭でとっかかりをつけてからぺろーんと丸ごと剥げてしまうくらいの身離れがいい。
刺身で食べるのならばもちろん鮮度が重要であり、都内ではなかなかお目にかかったことはないな。あったら絶対注文する。
そして何より、皮はぎといったら肝醤油だ。肝醤油だけをつまみにちびちび飲みたいくらいだ。
もちろん刺身を堪能するためには肝醤油でなければならない。なければならないのだよ。
嶺岡豆腐
牛乳と胡麻で作った豆腐らしい。山葵と豆腐か。
ねっとりもっちり。太田さんは、「箸から離れない」といっていたが、粘り気の強い杏仁豆腐のようなイメージだろうか。
こういう珍しい料理をしれっと置いてあるところに粋と確かな実力を感じる。
雪の茅舎山廃純米
太田さん、秋田でもそれ飲んでたよね?雪の茅舎は美味しいもんなぁ。
熱燗46度で燗冷ましにして飲む。いいねいいね。
総括
横浜・鎌倉くらいの距離ならば、ふらっと飲み目的で足を運んでみてもいいかなぁ。都内でも海鮮が充実している居酒屋はいくつも知っているけれど、やっぱり海の近くで活〆した魚をつまみに一杯やりたい気持ちはある。
あえて冬の時期に逃げ込むようにお店に入って熱燗というのもいい。